2025年8月1日(金)、米国株式市場は大幅な下落を記録しました。主な要因は、トランプ大統領による新たな関税の発表と、予想を下回る雇用統計の結果です。これらの要因が重なり、投資家心理が悪化し、主要株価指数は軒並み下落しました。
📉 市場の動向
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ダウ平均株価:前日比542.40ドル安の43,588.58ドル(-1.23%)
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S&P 500指数:101.38ポイント安の6,238.01ポイント(-1.60%)
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ナスダック総合指数:472.31ポイント安の20,650.13ポイント(-2.24%)
この下落は、4月以来の大きさで、週間ベースでも主要指数は2%以上の下落となりました。
🏛️ トランプ政権の新関税政策
トランプ大統領は、カナダ、ブラジル、インド、台湾などからの輸入品に対して新たな関税を発表しました。特にカナダからの輸入品には35%の関税が課され、全体で70カ国以上が対象となっています。これにより、平均関税率は従来の2.3%から18%に引き上げられ、企業活動や消費者物価への影響が懸念されています。
📊 雇用統計の悪化
7月の非農業部門雇用者数は7.3万人増と、予想の10万人増を下回りました。また、過去2か月分の雇用者数も25.8万人分下方修正され、労働市場の減速が明らかとなりました。失業率は4.2%で横ばい、平均賃金の伸びは3.7%と、インフレ率(2.4%)を上回っています。
🏢 企業決算と個別銘柄の動向
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Apple (AAPL):サービス部門の好調にも関わらず、関税の影響懸念から2.5%下落。
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Coinbase:予想を下回る決算で15.6%の急落。
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Reddit:AIを活用した広告収益の増加により、22%の急騰。
📈 セクター別の動向
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上昇セクター:ヘルスケア(+0.58%)、生活必需品(+0.53%)
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下落セクター:一般消費財(-3.59%)、情報技術(-2.07%)
特にディフェンシブセクターへの資金流入が見られ、リスク回避の動きが強まりました。
🔍 今後の注目ポイント
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関税の影響:新たな関税が企業のコスト構造や消費者物価に与える影響。
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雇用市場の動向:労働市場の減速が続くか、今後の経済指標に注目。
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FRBの政策:利下げの可能性や金融政策の方向性。
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地政学的リスク:国際情勢の変化が市場に与える影響。
このように、米国株式市場は複数のリスク要因が重なり、不安定な状況が続いています。投資家は今後の経済指標や政策動向を注視し、慎重な対応が求められます。

